【槍ヶ岳】残雪の残る槍沢から1泊2日で槍ヶ岳と大喰岳に登る

【槍ヶ岳】残雪の残る槍沢から1泊2日で槍ヶ岳と大喰岳に登る

槍ヶ岳について

標高3,180m

日本100高山 標高第5位

日本100名山

どこから見てもその鋭い三角錐は変わることがない。それは悲しいまでに一人天を指している。深田久弥 日本百名山から引用

 

ルート 上高地→槍沢→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→下山 

往路:11時間

復路:10時間

難易度 体力:上級 危険度:槍ヶ岳山荘から山頂までは注意が必要

 

槍ヶ岳は広大な北アルプス山域の中心に位置する山である。

中央とは「最奥」という意味ではない。

登山地図を見ると槍ヶ岳のルートは東西南北の4本と正面玄関からの1本があることがわかる。

表銀座や裏銀座などの縦走路のクライマックスに置かれることも多い。

そんな意味で、槍はターミナル駅の新宿駅のような山だと思っている。

槍ヶ岳に向かうこれらのルートには多くの山小屋が置かれており、ハイシーズンにはこれらの登山者が一斉に槍ヶ岳の山頂を目指す。

連休がうまく重なったときには、山頂までの登り通常30分のところ、4時間待ちの渋滞が発生するというのである。

普段、土日が休みの私はこれを理由に槍ヶ岳に登ることを避けていた。

通常2泊3日かかる槍沢ルートもそれに拍車をかける。

まだ、登山を始めて数年目の私にとっては、槍ヶ岳以外にも登りたい山はたくさんあった。

2泊3日あったらいろいろな山を縦走できる。

 

しかし、地図を見ていたら、「横沢までの3時間は横歩きなのでノーカウント。実質6時間の登り。雪渓が消える直前を狙えば、単独行でもそんなに危険もないし、混雑も避けられる。」

と思い、突然 槍に登ろうと思い立った。

 

今回のルートは、通常2泊で登られるルートなので、体力に自信のない方はやめた方がよい。

登山に使える時間は、朝7時に出発したとして、午後3時までの8時間。

休憩を含めるならば、コースタイムの0.8倍以上のペースで進まなければならない。

 

槍ヶ岳の山行記録

2018年7月初旬、槍沢から槍ヶ岳に登る。

さわんどバスターミナル

この時期の上高地行のバスは6時10分が始発となる。

上高地に着くのは6時40分。諸々の準備を行うと7時の出発。

ここから8時間で槍ヶ岳山荘を目指す必要がある。

上高地から槍沢ロッジまで

穂高岳を横目に見つつ、上高地から横尾までのルートを歩く。

上高地から横尾までは標準コースタイム3時間。

横歩きなので、ここでコースタイムを短縮しようと考えていたが、横歩きは誰が歩いてもだいたい同じペースなのか、あまりタイムを短縮できなかった。

横尾では穂高方面に向かう登山者と槍方面に向かう登山者に分かれる。

槍方面に向かう登山者の半数以上は冬期登山靴か4シーズン登山靴にピッケルという装備であった。

猿に通せんぼされる

横尾に向かう道の途中では猿に道を塞がれた。

通ろうとしても威嚇されて進めない。

そーっと通ろうとしても、明らかに飛びついてくるポーズをとる。

上高地の猿はおとなしいとか聞いたことがあるが、この猿は狂暴だった。

時間もないので、意を決して走り抜けることにする。

最終的には猿も気迫に負けて去っていった。

槍沢ロッジからババ平まで

槍沢ロッジでは甘酒のシャーベットを買う。

クーリッシュみたいな感の密閉容器に入って売られていた。

この日は気温も高く、すぐに飲めるようになった。

私は甘酒をそこそこ飲む方だと思うが、酒粕くさいやつは苦手である。

この甘酒は、甘いだけのすっきりとしたタイプでおいしかった。

「槍が見えるよ」ここでこの日初めて槍を見る。

 

 

ババ平で水を補給する。

ここの水は美味しかったという感想を見たことがあるが、

この日のババ平の水は、前日の雨の影響か、何か鋭い味がした。

というより、若干ケミカルなような…

ババ平からは本格的な登りとなる。

しかし、ここまでは割と緩い道だったので、一気に槍ヶ岳山荘まで登ることを決意。

ババ平から殺生分岐まで 残雪の通過

この区間は4~5か所の雪渓を通過することとなる。

2018年は融雪が早かったらしく、ストックと軽アイゼンで登っている人も多くみられた。

私はピッケルを持ってきたが、ストックの方がかえって登りやすかったと思う。

トラバースが必要な区間は既に雪切済み。

整備してくれたスタッフの方に感謝である。

雪切済の雪渓

 

殺生分岐直下が一番、雪渓の長い区間となる。

150~200mほどの雪渓は2か所あるが、多くの登山者が登りステップがついているため、登りであればアイゼン無しでも行ける気がした。

雪渓取りつき部分から望む

 

殺生分岐から見下ろす雪渓

 

 

殺生分岐から槍ヶ岳山荘まで

間に合わなかったら殺生ヒュッテに宿泊しようと考えていたが、ここまで7時間。

時間には十分な余裕がある。槍ヶ岳山荘まで一気に登る。

殺生分岐から槍ヶ岳山荘までは、体力的にも精神的にも一番きつい区間だった。

今回のルートでこの区間が一番の急登となる。

殺生分岐から槍ヶ岳山荘を望む

 

槍ヶ岳山荘までの最後の急登を登る

 

槍ヶ岳山荘に到着

槍ヶ岳山荘に無事到着したが、異常なほど眠い。

向かいの布団に寝ている「俺は上高地から6時間でここまで来た。」とか、「5時間で登ってきた。」という自慢話を聞きながら、「あれ?ほぼ同着じゃなかった?私は抜かされた覚えもないし、ここまで8時間20分かかってるぞ?」と思いながら眠りにつく。

大体話を盛っている人はバレるのでやめた方がいい。ヤマレコとかならバレないかもしれないが。

2日目 夜明け前に大喰岳へ

2日目は4時に起きて大喰岳に登る。

大喰岳は日本10位の高峰でありながら、槍穂高の付属とみられあまり顧みられることはない。

槍ヶ岳山荘から大場岳までは片道40分程度。

この日の早朝の大喰岳には誰もいなかった。

旭日とともに浮かび上がる槍の絶景を独り占め。

 

私はあまりご来光を見ながら山頂を踏むという行為に関心がない。

それよりも、自分が登った山を少し離れた場所から、眺めるのが好きである。

旭日が登るにつれて、刻一刻と変化していく風景。

これを独りで眺めることが、私にとって山にいるとき一番贅沢な時間である。

これには独りであることが重要で、同行者はおろか、周りに誰もいないのがいい。

自分では言葉には表せない複雑な感情を、きれいとか、感動的という一言の言葉で一蹴されると興が削がれるからだ。

 

槍ヶ岳山頂へ登る

山荘に戻って、持ってきたカップラーメンを食べると、日が高く昇っていた。

完全に夜が明けて、足元も明るくなったところで山頂に登る。

山頂までは高度感のある数本のはしご。

足場はしっかりしているので、落ち着いていけば問題ない。

 

山頂には一眼レフカメラを持った人と被写体でポーズを決める人。

中央の赤い人以外、カメラマンか被写体である。

写真には写っていないが、ほかにも人はいる。

山頂にいた11名中、1人が登山者、私を含め3人が風景撮影、後の7名がポートレート撮影。

カメラの射線を横切らず、祠までは行けそうにないので早々に帰る。

カメラマンと被写体たちは、この後30分以上も降りてこなかった。

縁で撮って邪魔にならない風景写真はまだいいとして、ポートレートは撮影イベントじゃあるまいし、撮影会は狭い山頂でやらずにほかの場所でやればいいのでは?

と思うから私は友達が少ないのであろう。

槍ヶ岳山荘への下りも長い梯子を降りる

 

穂高方面を望む

 

槍ヶ岳の撮影スポット

槍ヶ岳山荘テント場

私が登った時はテントの張数が少なく、槍とテントという構図で写真を撮ることができなかった。

山荘から歩いて数分のこの場所は楽に槍を望む適地である。

人の多い時期に長時間露光を行えば槍に登る登山者の光跡が写せるはずだ。

クリックして拡大

 

飛騨乗越まで下ると槍を仰ぎ見る構図がとれる。

クリックして拡大(若干ピンボケ)

飛騨乗越からの槍  クリックして拡大

 

 

大食岳直下

大喰岳まで登るとこんな感じになってしまう。

大喰岳山頂からの槍ヶ岳

 

引きで槍を撮るには大喰岳直下の登山道からの眺めがよいだろう。

大喰岳から穂高を望む クリックして拡大

 

 

槍ヶ岳と朝日

 

 

 

最後に

この時期は残雪が残る時期であり、山小屋もアイゼンとピッケルの携行を勧めている。

チェーンスパイクは効きが悪いこともあるらしく、やめてほしいらしい。

たまたま2018年は残雪が少なかったが、いつもこの状態とは限らない。

可能な限り安全な装備を携行して臨むのがよいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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