【燕岳】真夏の北アルプス三大急登を登り、過去に決別

【燕岳】真夏の北アルプス三大急登を登り、過去に決別

燕岳について

標高2,763m

日本100高山 標高第76位

日本200名山
ルート① 中房温泉→燕山荘→燕岳→中房温泉  

往路:5時間

復路:3時間

難易度 体力:中級 危険度:ほとんど危険個所なし

燕岳は、長野県の中信地方で学生時代を過ごした者にとっては馴染みの深い山である。

長野県には学校登山という行事があり、松本平の大半の中学生は燕岳か常念岳に登るのである。昨今は生徒の安全性を考慮してか、我が子の安全性を声高に主張する保護者の影響か、はたまた中学教員に安全に北アルプスの山々の山頂まで生徒を登らせる指導力がなくなったのかは定かではないが、学校登山が乗鞍岳といった簡単に登れる山に変えられている傾向にある。

私が標高3,000m級の山に登ったのは、この学校登山が初めてである。それまでも、東北に住んでいた祖父に連れられて、安達太良山や那須岳、磐梯山といった山には登ったことがあったが、北アルプスの主稜線上にある山に登るのはこれが初めてであった。当時、車に酔いやすかった私は宮城から中房までの山道で、朝食を戻すか戻さないかの致命傷を負い初の北アルプス登山に望むこととなった。登山口についた段階で雨が降り始め、ホームセンターで買った3,000円のレインウェアと、30年前に父親が学校登山に使ったザックカバーなどつかないザックを使っていた私は燕山荘に到着するまでの間に全ての持ち物が濡れるに至った。翌日は晴天だったが、担任と生徒の意見が一致して山頂には行かないことになり、これが20年近く経った今に尾を引くこととなった。

私は中学の同窓会には久しく顔を出していなかったのだが、私が登山に傾倒していることをどこかで知った同級生が燕への登頂を果たしたいから連れて行ってくれというのである。

準備品から行程といった全てを1からお膳立てするのは面倒だったが、過去の経過があったため承諾する。平成30年に入って2回目の燕岳登山である。

燕岳の駐車場事情について
数年前の2キロにわたる路駐

 

今回は平日の金曜日ということもあり駐車場のスペースには余裕があった。

余裕があったと言っても、有明荘前の第3駐車場(30台)への駐車であり、登山口に近い第1(50台)・第2(40台)の両駐車場は満車。

ハイシーズンの休日に登る場合は、燕岳登山口に比較的近い場所に住んでいる私でも前日に来て第1駐車場で車中泊をするようにしてる。おそらく、4時〜5時には第3駐車場まで満車になっているだろう。

中房の駐車場事情は年々厳しくなり、路駐できそうな多くの路肩にはコーンとポールで駐車禁止の警告。早朝には交通誘導員も配置される。

人気の山なので可能な限り早く来て車を止めることに越したことはないだろう。

しかし、登山には不測の事態が付き物である。

仲間が遅刻、家に忘れ物、道に迷うetc.

到着が遅れそう、駐車場に空きがあるか不安な場合は公共交通機関の利用をお勧めする。

中房温泉へのアクセス

穂高駅から中房温泉への定期バス

これを利用すれば、駐車場に困ることはないだろう。穂高神社北側に130台駐車可能な登山者用駐車場があり、バスはそこにも停留する。

穂高駅から中房温泉まで往復2時間… 登山口の駐車場の空きに賭けるか、堅実にバスを利用するかはあなた次第。

 

燕岳の山行記録

2018年7月中旬、合戦尾根から燕岳に登る。

燕岳の登山相談所

 

 

多くの人が訪れる燕岳には立派な登山相談所が開かれる。

登山届は登山者の義務、必ず提出するようにしましょう。

急登の合戦尾根を登る

 

今回は人を撮るので必死で、各所のポイントを撮影していなかったのでお許しをいただきたい。

かといって、あんまり真正面から写っている写真も出せないが…

燕岳唯一の危険個所

 

燕岳で数少ない鎖がかかっている場所である。

ここで1名何もないところでコケる。

滑落はこうして起きるんだな、と実感。

2018年は猛暑の年で知られる。梅雨明けも例年に比べ異様に早かった。

例年であれば、この日は甲信越の梅雨明けの平均日。梅雨明けギリギリのタイミングでの登山のはずだった。

例年よりも1か月近く早い梅雨明け、登山口についた時には晴天であった。

が、合戦小屋を超えて稜線に出た時からガスにまかれる。確かに数分前まで大天井が見えていたのに、尾根に出ると真っ白。

登山ではよくあること…だいたいこんな時はパーティー内で責任の押し付け合いが起きる。

ちなみに私が山に登るときは快晴か風雨の2択のことが多く、これを主張して何を逃れた。

滝雲とかそういう写真も撮ってみたいのだが、なぜか、そういうのを狙っているときに限って晴天になってしまう。うれしいのやら悲しいのやら。

燕山荘に到着

燕山荘でカレーを食べる

 

無事、燕山荘につきホッとする。

今回は山行未経験者が多いので、金に頼れるところは金に頼るスタイルだ。

食事も例外ではなく、燕山荘でカレーを食べる。

余談だが、私は食べなれていない店でカレーを食べるときはチキンカレーを選択する。

豚肉や牛肉に比べて鶏肉は安いため、入っている肉の量が多く得した気分になるからだ。

燕山荘ではビーフカレーとチキンカレーがある。

通常の山小屋ではカレーの種類は選べないことが多いが、さすがは大手 燕山荘。

偏屈な私にチキンカレーという選択肢を与えてくれたことに感謝し、おいしくいただく。

燕山荘裏に現れたライチョウの親子

 

コマクサとライチョウの雛

 

 

昼食を食べ終わって燕山荘の周辺を散策していると人だかりが。

人だかりの真ん中にはライチョウの親子。全く人に対して物怖じしない。

素早く動くため、なかなか撮影が難しい。普段怠けて静物しか撮らない私には、ピントを合わせるのは至難の業だった。

 

 

 

燕山荘の周辺には様々な植物が咲く。

煮ても焼いても食えない風景の時は植物の撮影に挑戦してみるのも一興であると思う。

ただし、私はほとんど植物の名前がわからないため、何だかただそこにある花を撮っただけになってしまう。

やはり、カメラは対象に対する想いがないと応えてくれないのだ。

友人たちが宴会をするといっていた場所に戻ると、虫に襲撃されていた。

小屋の東側にあるベンチだが、風がさえぎられているためかやたら虫が多い。

かといって、満員御礼の燕山荘に他の空きベンチなどない。仕方なく耐える。

耐えて、ちらほら他のベンチに空きが出始め、これで虫から逃れられると思った矢先、雷が鳴り始める。

小屋番の人に促され、撤収。無念である。

燕山荘と満天の星空

燕山荘から見る天の川

 

仕方なく寝て、夜中晴れることに期待する。

なんとなく、今までの経験上、夜には晴れる感覚があった。

塊のような濃いガスが断続的に通過し、時折空が見える場合、夜半に気温が下がれば晴れることが多い気がする。

外に出てみると、私の勘は当たった。

音を出さないように仲間を起こす。

とりあえず、下界では見れない満点の星空に感動してもらえてよかった。

このまま翌日の晴天を祈り床に就く。

翌朝も晴朗

やはりパーティー登山の動きは鈍い。

薄明時間帯を逃してしまった。が、燕岳は何度も来ているので気にしない。

それよりも、同行者に山の良さを知ってもらうのが第一である。

雲海も広がり、文句のない日の出であった。

下山

下山は土曜日に当たったため各所で大渋滞。

なんだかんだ私が一番イライラしていた気がする。

が、とりあえず中房まで無事下山できて一安心。

下界は厚いし、汗もかいたので有明荘へ。

ここの露天風呂でスズメバチに襲撃される。今回一番危なかった瞬間であった。

最後に

今回の山行は、学校登山をきっかけとして、社会人になってから山に興味を持ってくれた良い例だと思う。

当時、荒天で踏めなかった山頂を踏むという因縁を20年近く経って果たしたのである。

よく、長野県民は学校登山をきっかけとして登山が嫌いになるというが、それは各所で感じる。

しかし、将来東京やその他の大都市に出たとき、北アルプスの主稜線に位置する山に登ったことがあるというのは大きな話のネタになる。

登山をする人にはもちろんそうだが、しない人にとって北アルプスは前人未到の地並みに神格化されているケースもあり、学校登山の話をするととても驚かれる。

だから、安易に乗鞍とかに変えてほしくはないのだ。

「乗鞍の畳平までバスで登りました。」これは学校登山でなく遠足の範疇である。

記事が長くなってしまったので、撮影スポットについては別に紹介する。

 

 

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