天の川の見える夜空は何処に?光害マップから考える最適な場所

天の川の見える夜空は何処に?光害マップから考える最適な場所

天の川の見える夜空は何処に?光害マップから考える最適な場所

鳥取県の星空保全条例から考える

鳥取県は、鳥取市さじアストロパークなどの観測拠点が星空の美しさで我が国随一とされており、全ての市町村で天の川を観測できるなど、後世まで永く伝えるべき「星空」という大切な誇るべき「宝」を有している。
しかしながら、美しい星空が見える環境は、清浄な大気と人工光の放出の少なさによってもたらされているが、全国各地で過剰な人工光により星空が失われつつあるとされている。
私たち鳥取県民は、豊かで美しい自然の象徴である星空を守る行動に立ち上がり、私たちの星空を、ふるさとの重要な景観と位置付けるとともに、観光や地域経済の振興、そして環境教育等に生かしていくこととし、鳥取県の美しい星空が見える環境を県民の貴重な財産として保全し、次世代に引き継いでいくため、この条例を制定する。鳥取県星空保全条例 前文

人間にとって闇は未知と恐怖の象徴であり、有史以降(特に産業革命以降)積極的に闇をなくすような施策がとられてきた。

日本でも例外ではなく、街中で暗い場所を見つけては住民が行政に要望し、半ば「病的に」隙間なく該当が設置される。

防犯という面から考えれば必要なことかもしれないが、果たしてその街頭は地面のみではなく空を照らす必要があるのだろうか。

空を照らす分のエネルギーを地上に向ければもっと効果的なのでは?

 

もう一つ、地方都市の国道沿いに大型量販店やパチンコ店が並ぶ判で押したような風景。

建物や看板を照らす照明はこれでもかというほど明るい。

各々の店が明るさを競いさらに空に向かって光を放つ。

 

ある地方都市の都市計画の担当者と話したことがある。

その人は、主に下方向を照らす街路灯を導入しようとしたが不評であったらしい。

地面を照らす照度は十分だったが、横方向や上方向に向かう光がないと華やかさを感じないと首長や住民から言われるのだそうである。

こんなバブルみたいな価値観が平然とまかり通るのが日本の民主主義である。

 

ここで表題に戻るが、鳥取県は2017年、初めて県単位で星空保全の条例を制定した。

普通に暮らす多くに人は、星空に興味はなく、また、不景気の昨今では星空を見る余裕が失われているのかもしれない。

その中で鳥取県は自県を「星取県」として、多くの施策を講じてきた。星空保全条例もその一つである。

はっきり自説を述べると、街で上方向を照らす照明は全て害悪である。

このような無駄を省けば、「星」を観光資源として利用できる自治体や地域が何個生まれるか。

このような無駄を規制すれば、不必要なエネルギーがどれだけ削減できるか。

 

冒頭に戻るが、人間が不必要な明かりを嬉々として発するようになったのは、その闇を恐れるという本能である。

人間が理性を持つ動物だというのなら、経済発展を成し遂げ、選択的に闇を排除できるようになった今こそ、その本能に打ち勝つような行動をとるべきではないかと私は考える。

光害マップから考える星空の観測に最適な場所

光害(ひかりがい)とは、不適切・不必要な照明利用によって、夜空が明るくなり天体観測、生態系に悪影響を及ぼしたり、過剰なエネルギー消費の一因となる光害である。

このまま不適切な照明利用が続けば、全世界で2030年までに照明によるエネルギー消費は80%増加するが、適切な照明利用がなされればエネルギー消費量は現在と同程度に抑えられるといったデータもある。

 

光害がひどい地域は必然的に星空の観測には不適となり、光害のない地域ほど星空の観測に向いているとされる。

下が日本全体の光害の地図である。赤くなるほど光害がひどくなる。

やはり大都市圏や地方都市は明るく、山間部に行くほど夜空が暗い。

 

このサイトに行けばさらに詳しい光害の地図が見れる。

 

下の地図は光害をもっとシビアに表した地図である。

これを見ると、たとえ長野の山間部であっても光害の影響は避けられないことがわかるだろう。

実際北アルプスの稜線で写真を撮っていても、どこかしらに都市部の光が写り込むことが多い。

下界が雲で覆われればマシにはなるが、それでも街の光が与える影響は大きい。

下の写真は雲海で雲が照らされる様子である。

高ボッチ高原の雲海と光害

 

 

この地図からは関東や中部において天体観測に最適な場所はほとんど失われているということがわかる。

それでも、北アルプスや南アルプスの深部、福島県新潟県堺はまだましなので、星空の観測をするならそこを狙うとよい。

 

このまま、街の暗闇を街頭で埋め尽くしていくという思考停止的で単純作業が続けばさらに暗い夜空は失われていく。

この記事を読んでくださった方は、少なからず星空への関心が高い方だろう。

光害という問題もあるということをどこか頭の片隅においてもらえると幸いである。

 

 

 

 

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