Vario-Sonnar ツァイス伝統のT*コーティング
よくこのサイトでCONTAX T2の話題が出ますが、あれに搭載されているのがSonner T* 38mm F2.8です。
そもそも、ゾナーの歴史は古く1929年に発明されたものです。
名前の由来は、都市ゾントホーフェン(Sonthofen )から来るという説と太陽を意味するドイツ語(Sonne )という説があります。
個人的には後者がいいですかね。当時のレンズの大口径化の技術への期待感が感じられます。
そういえば、オールドレンズの入門編として人気のあるヘリオスも語源は太陽でしたね。(ヘリオスはゾナーコピーではありません)
一眼レフが主流になってから、Sonner 型の単焦点レンズは標準域では見なくなりましたが、最近になってソニー製のコンデジとかにVario-Sonnarとして搭載されているのをよく見ます。
Vario-SonnarがもともとのSonnarの血を引いているのかどうかは、私にはよくわかりませんが、名前だけ見るとSonnarがズームになったものがVario-Sonnarのようです。
そして、それにカールツアイスの伝統のコーティングを施したものにT*の表示がつくと…
最近はスマホのエクスペリアにもレンズにT*の表記があるので、これは高価な技術が民生用に普及したとみるべきなのか、T*の投げ売りが始まっているとみるべきなのか。
まぁ、京セラの安価なプラスチックコンパクトフィルムカメラもT*コーティングしてあるものもありますし、案外T*って身近なものかもしれません。
Vario-Sonnar 3.5‐6.5/28-56について
ズーム倍率を2倍に抑え、F値も欲張らず堅実な設計なうえに伝統のT*コーティングにより、色乗りもよく単焦点レンズに迫るような描写…
と一般的な説明文には書かれるかもしれません。
正直言うと、そこらへんはよくわからなくて、個人的な感想といえば2倍ズームできて便利だなーくらいです。
広角端の28mmF3.5は単焦点として考えれば、標準的なコンパクトフィルムカメラのスペックですし、ちょっとズームが必要な時によれるのは便利です。
特に私が趣味としている登山では、足で画角を稼げないことが多いので、ちょっとしたズームが利くのはとても便利です。
難点があるとすればやはりレンズが出っ張ることと、レンズキャップがオート開閉ではないので、写真を撮るたびに蓋を開けたり閉めたりしなければならないことでしょうか。
出っ張りについては、かなり沈胴するので気にならないといえば、気にならないのですが、やっぱりキャップ付け外し問題はめんどくさい。
ちなみにキャップもチタン製っぽいので、なくしたら地味にへこむと思います。
コンタックスTVS本体について
コンパクトフィルムカメラの話になると、いつもT2 T2 言っていて、何かしらのコンプレックスを感じる方も多いかと思いますが、当たりです。
T2は中古価格が爆上がりしていて(8万円前後?)買えないのです。
その点、TVSであれば完動品が中古で2万円台。
その安さの要因は、ズームレンズなのか、デザイン性なのかインフルエンサーが使っていないのか、あるいはそのすべてか…
今のところ、持病の液晶漏れも発生していません。
日付も入ればよりエモいかなと思いデータバックも購入しました。
3,000円くらいでした。
でも、使うとせっかくのチタン製の裏蓋がプラッキーになってしまいプレミアム感が失われるため、あまり使用していません。
この時代のコンパクトカメラのAFは暗所で効きにくかったりするので、ダイアルで合焦距離が選べるのは便利ですね。
でも油断すると、勝手に鞄の中で切り替わっていてピンボケ写真を量産することになります。
コンタックスTVSの作例について
紅葉の季節にスナップに出かけてみました。
これらの写真はすべて業務用100使用です。
広角側のみ解放値F3.5ということでボケは望むべくもないのですが、やはりズーム機能は便利です。
スナップは迷いをなくすために単焦点!という考え方もあるかと思いますが、見知らぬ人を撮影する場合広角単焦点だと不都合が生じます。
これは冬の写真ですが、逆光時の光のとらえ方は個人的には好きです。
先にも述べましたが、登山の時ってあと一歩近づけない時があるんですよね…
這い松とかが邪魔で。
特にコンパクトフィルムカメラの中では「ズーム機能は画質を落とす」。単焦点至上主義みたいなものが昨今の価格の上昇から見て取れます。
でも、ひとつくらいズームのコンパクトフィルムを持つという選択肢を検討するとき、TVSはとても魅力的な選択肢となりうるでしょう。
ズームゆえに価格も安いですしね笑