【御嶽山・山頂立入規制解除】噴火後初めて念願の山頂へ

【御嶽山・山頂立入規制解除】噴火後初めて念願の山頂へ

御嶽山について

 

標高

3,067m

日本100名山

普通御嶽は日本アルプスの中に入れられるが、この山は別格である。そういうカテゴリーからはみ出している。北だの、中央だの、南だのと、アルプスは混みあっているね、そんな仲間入りは御免だよ、といいたげに悠然と孤立している。

ルート 御岳ロープウェイ→ 二の池ヒュッテ(宿泊)→五ノ池→山頂→
御岳ロープウェイ

ピストン:11時間

難易度 体力:中級 危険度:危険個所なし(火山情報に留意)

御嶽山では2014年9月27日に実に7年ぶりとなる噴火が発生。

死者58人・行方不明者5人を出し、戦後において最悪の火山災害となった。

2014年の噴火の際は、私も御嶽山登山を検討しており、仕事が入ったため翌週に延期したところ、噴火した。

TVのテロップか何かで、御嶽山噴火を知ったが、噴火警戒レベル1だと思っていたので、「どうせ小規模な噴火だろう、規制されてもすぐに解除されるさ」と考えていた。

しかし、夕方のニュースを見るととてもそんな感じではなく、自分の考えの甘さを痛感させられた。

登山という趣味自体を考えると、別に行かなくても良いような危険な場所に敢えて行くのだから、何かあった時は捜索保険の範囲で探してもらえばよいし、それで見つからなければ放っておいてくれていい、くらいに考えていた。

まぁ、個人の遭難のレベルであればそれでも良いかもしれないが、一たび災害に巻き込まれれば莫大な人的資源と税金を要するため、活火山への登山にはそれなりの覚悟が必要になる

行政が個人を助けるのは当たり前であり、噴火予測は常に万全を期さなければならないという開き直った考え方をしていれば、別になんとも思わないかもしれないが、大方の登山される方はそのような考えではないだろう。

敢えて自分の意志で危険な場所に入山する人間は圧倒的なマイノリティーであるし、昨今の財政が逼迫した世の中ではそのような少数派に対して割けるリソースはどんどん少なくなっていく。

マイノリティーを切り捨てるな。という最もなご意見も聞こえてきそうだが、誰だって自分の理解の範疇から外れた行為の結果に対して自分の税金が使われるのは嫌だ。

敢えて危険な場所に行く登山(特に活火山)は大多数の人々にとってそれに該当するだろう。

御嶽山噴火災害国賠訴訟

そういえば、規制解除時の特番で訴訟遺族の方が「県の態度に問題があるせいで、訴訟の趣旨が理解されず不当な批判を受けている」というようなことを語っていた気がする。

訴訟が終了していないため、本当に行政に瑕疵があったのかは私にはわからないが、批判を受けているのは上述の理由であり、別に行政は関係ないと考える。

とても個人的な感想を言わせてもらうと、「ここまで他人のせいにできるってすごいな。」

ということと、何でもかんでも行政を悪者に仕立て上げるマスメディアって、本当に信用できないんだなってところだろうか。

これ以上、世の中が規制の方向に向かうと本当に嫌なのであえて書かせてもらう。

 

 

 

御嶽山の山行記録

2018年10月上旬、御嶽山に登る。

御嶽山は木曽にある。

私は長野県の中信地域に住んでいる。

木曽も同じ中信地方だ。

私にとって、木曽とは中津川まで抜ける国道19号線沿いの世界のことだと思っていた。

しかし、国道19号を逸れた先にも木曽は広がっており、自分の長野県の広大さへの認識の甘さを改めて知らしめられた。

木曽は山梨に行くより遠かったのである。

ようやく駐車場に着くが、なんだか微妙な天気…

それもそのはずで、この時は台風25号が接近中であり、いつロープウェイが止まってもおかしくはない状況。

御嶽山に登り始めた時刻には、まだ台風は九州沖におり、強風域にはいる前に山小屋に到着することが可能だろう、

ということで登山を決行。

台風は翌日の早朝には津軽海峡を越えてそうだし、そうなれば晴天になるはずである。

 

やはり、規制解除直後ということもあり、噴火関連情報が掲示板に所狭しと並んでいる。

登山届をサクッと提出し、ロープウェイへ向かう。

噴火前は御嶽山は気軽にロープウェイで2150mまで上がることができ、豊富な山小屋数も相まって色々な層でも楽しめる山だった。

上に上がるにつれてだんだん天気が怪しくなる。

すこし水滴がついているが、まだ雨というほどではない。

10月に入ったこともあり、紅葉はだいぶ下まで降りてきてしまったようだ。

ロープウェイを降りた先にも登山届の提出場所がある。

先の噴火の際は登山届の提出の有無についても、各方面で議論されていた気がする。

ここまで、登山届の提出について警告されて、敢えて提出しない人がいるとすれば、相当な頑固者だろう。

でも、登山届って観光の延長で山に入っちゃった人とかは提出していない気がするので、観光客向けにもっと簡単に書けるくらいのものも作ったほうが良いかもしれない。

2日目は晴れていたので、8合目くらいまでは登山装備じゃない人とすれ違ったりしたし。

2018年の御嶽山登頂可能期間は短く、9/26~2週間程度だった。

木曽町からは可能な限り山頂滞在時間を短くすること、ということでアナウンスが書かれていた。

 

ロープウェイの駅から1時間強ほど歩くと八合目の女人堂に到着する。

入り口には献花のためのものだろうか。花束が売られていた。

この日は風も強く、花をもって上る方も少なかったし、献花されても片付けに困るとのことで、花を置くような場所もなかった。

とりあえず雨風を避けて休憩していると、何も買ったわけでもないのにお茶を出してくれた。

雨風で冷え切った体にはとてもありがたい心遣いでした。

せっかくお心遣いいただいたので、御嶽の紅葉限定バッチを購入して山小屋を出る。

宗教色の強い山ということで、金剛杖に焼き印を押してもらえる。

外に出ると雨はそれほどでもないが、風は強くなってきた。

視界が悪く景色は楽しめない。

9合目までの道のりでは、鳥居が倒壊していた。

先の台風の影響であろうか。

先週の台風では、関西を中心に強風で大きな被害がでた。

関西国際空港は高潮で浸水し、車などが風で横転する映像が記憶に新しい。

標高2,500mを超えるこの地点でも相当な風が吹いたのだろう。

 

9合目まで来るといよいよ噴火の影響が色濃く残る。

各所には火山灰が固まってセメント状になったような場所や、噴石の被害を受けたような場所が散見されるようになる。

登山道には遮るものが少なくなり、もろに台風接近の強風を受けるようになるが、ここまでくればあと一息で宿泊地だ。

二の池ヒュッテに宿泊

二の池新館から改め、2018年から営業を開始した二の池新館に宿泊した。

この日は台風接近のあおりを受け、キャンセルが相次いだらしく、宿泊者は10人余りと快適な宿泊となった。

 

二の池ヒュッテのお風呂
二の池ヒュッテのお風呂

 

二の池ヒュッテにはお風呂もあるとのことで、稜線上で風呂にはいれるとは、北アルプスの山小屋では考えられないほどの待遇だ。

二の池新館のタオルをもらえたのが地味にうれしい。

小屋のオーナーさんは女性ということで、夕食はなかなかにお洒落なメニューだった。

二の池ヒュッテは岐阜県側に位置するそうで、補助金等の仕組みが長野県と違うらしく、なかなか噴火を想定した改築には着手できないのだそう。

普段、山に登るときに明確に県境を意識することは少ないが、やはり県境はそこに確実に存在しており、山小屋運営にも影響を与えると思うと面白い。

二の池ヒュッテ 噴火当時の部屋
二の池ヒュッテ 噴火当時の部屋

 

 

二の池ヒュッテには噴火当時の部屋が一室そのまま残されている。

噴石は天井を突き破り、灰にまみれたその部屋からは噴火被害の凄惨さを知ることができる。


二の池ヒュッテは広報にも力を入れており、youtubeで壮麗な映像を見ることができる。

なかなか、このようなタイムラプス動画で4K配信されているところは少ないので、御嶽山の山小屋の宿泊に迷った時の参考にしてみてはいかがだろうか。

facebookも随時更新されており、御嶽山の情報を集めるのに非常に有用だ。

2日目は晴天の御嶽山頂へ

午前8時までは台風の影響で雨風がやまなかった。

絶対晴れるはずだ、という確信を持っていたが、そのまま小屋にいても仕方ないので山頂だけ踏んで帰るかと思ったところ、突然雲から日差しが…

 

急遽予定を当初のものに戻し、三の池を周回してから戻ることとする。

乗鞍とかもそうだが、火山湖は独特な色合いをしており、さらにそれが雲上にあるとこの世のものとは思えない絶景になる。

車でドアトゥードアで訪れて、猫も杓子も楽しめるような観光地では絶対に見れない風景だ。

そういえば少し前に流行った「君の名は」の聖地として、ご神体がある場所は御嶽の三の池であるというような考察を読んだことがある。

確かに遠方からの風景は最有力説である「青ヶ島」にそっくりだが、ディテールを見るとこの三の池そのものである。

また立地や高山感が出ているのも三の池の方であり、双方がミックスされていると考えるのが妥当だろう。

 

ここからは二の池ヒュッテに戻り、御嶽山頂に行く。

昨日は荒天で見れなかったが、二の池の中にある馬が倒れていた。

先週の台風でやられてしまったのだろうか。

昨日は天気が悪かったため全容がわからなかったが、晴れると噴火によって以前の景色とは様変わりしてしまった御嶽の姿が明らかになる。

分岐には長時間滞在しないようにとの警告が…

 

今回の規制解除の安全対策として設けられたのがこの避難豪である。

中には椅子も設置されており、数十名が収容可能だ。

御嶽頂上山荘の被害は大きく、瓦礫の撤去もまだ進んでいないようだ。

御嶽山山頂へ延びる行列
御嶽山山頂へ延びる行列

 

 

噴石の影響で曲がった手すり
噴石の影響で曲がった手すり

頂上まで延びる行列に並ぶ。

手すりは大きく曲がり噴石の威力の大きさを物語る。

御嶽山山頂
御嶽山山頂

 

山頂に着くと曇ってしまった。

写真中心の石像?銅像?の首がとれている。

噴火の影響だろうか。

 

御嶽山の噴火の影響で割れた石板

噴石が命中して、割れたりえぐれたりしている石板。

御嶽山慰霊碑
御嶽山慰霊碑

 

山頂直下には噴火の犠牲者となった方々への慰霊碑が立つ。

同じ趣味を持つものとして、また、タイミングがずれていれば自分が噴火に巻き込まれていた可能性も0ではないことを考えると複雑な心境である。

一刻も早い行方不明者の発見と犠牲者の冥福を祈る。

下りでは多くの登山者とすれ違った。

規制解除の最終日付近ということもあり多くの登山者で賑わっていた。

私のように、御嶽に登るために何年も待ったという方も多いのではないのだろうか。

御嶽に登らなければ百名山制覇はできないし、実際同宿となった方にも御嶽で百名山制覇の最後という方がいた。

 

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